マンションが空き家になる原因とは?放置するリスクや活用方法も解説

2025.11.07

マンションを空き家のまま放置すると、建物の劣化が進んで資産価値が下がるだけではありません。管理費や修繕積立金、固定資産税といった維持費が毎月かかり、年間では大きな負担となります。

さらに空き巣被害や不法侵入のリスクが高まり、近隣住民とのトラブルに発展する恐れもあります。

本記事では、マンションが空き家になる原因や放置によるリスクをはじめ、活用方法や専門の買取業者を活用して高く売却するためのポイントを解説します。

マンションの空き家が発生する原因

総務省が2024年4月に公表した「令和5年住宅・土地統計調査」によると、日本国内の空き家はおよそ900万戸にのぼり、空き家率は13.8%と過去最高を更新しました。

空き家というと、一戸建て住宅を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし実際には、空き家の半数以上がマンションやアパートといった共同住宅です。この数字からも、マンションの空き家問題が深刻化していることが分かります。

では、なぜマンションが空き家になってしまうのでしょうか。ここでは主な原因を順に見ていきましょう。

出典:総務省「令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果」
https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/pdf/g_kekka.pdf

家族間の相続

マンションが空き家になる最大の原因は「家族間の相続」です。親が所有していたマンションを子どもが引き継いだものの、すでに自宅を持っていたり、遠方に住んでいたりして活用できないケースが多く見られます。

実際に、株式会社NEXERとINTERIQによるアンケート調査では、44.1%の方が「所有して自らが住む」と回答している一方で、29.3%の方が「売却する」と答えています。

売却を選ぶ理由としては「すでに自分の住まいがあるため固定資産税の負担が大きい」「兄弟も含めて誰も住む予定がない」といった声が挙げられました。

つまり、相続によって住む予定がない不動産を抱えると、税金や維持費の負担、リフォームの手間などが理由で売却を検討する人が多いことが分かります。

調査データ引用元:記事公開後、該当URLをご記載ください。

転居や移住

転勤や結婚、リモートワークの普及による地方移住などで住み替えが必要になり、マンションが空き家になることがあります。急な転居では賃貸などの活用を検討する時間がなく、そのまま放置されがちです。

また、新居の住宅ローンを組むと既存のマンションを賃貸に出せない場合があり、金融機関への相談やローンの切り替えが必要です。こうした手続きの煩雑さから、空き家として持ち続ける人も少なくありません。

旅行や出張などの長期不在

長期出張や海外赴任、長期旅行などで住まいを空けることも、空き家化の原因のひとつです。住む人がいなくても物件は存在し続けるため、定期的な換気や清掃を行わなければカビや害虫が発生するなど劣化が進みやすくなります。

投資用マンションでも入居者が見つからず、空室のまま放置されるケースがあります。とくにワンルーム投資で入居者がつかず、空室状態のまま保有し続けてしまう例が目立ちます。

こうした長期不在が続けば、管理費や修繕積立金、固定資産税といった維持費がかかり続け、物件の劣化も進みます。

マンションを空き家にするリスク

マンションを空き家のまま放置すると、さまざまなリスクが生じます。ここでは具体的なリスクについて詳しく解説します。

住宅の劣化

「人が住まない家は早く劣化する」とよく言われますが、これはマンションでも同じです。人が暮らすことで自然に行われる換気や通水が止まり、室内環境は急速に悪化します。

たとえば、換気不足によって湿気がたまりカビが発生したり、排水トラップの封水が蒸発して排水管から悪臭が漂ったりします。また、水道管やガス管を長く使わないと、内部のヘドロや異物が乾燥・硬化し、劣化を早める原因になります。

さらに鉄筋コンクリート造のマンションでも、段ボールや木材を放置するとシロアリが発生することがあります。こうした劣化が進めば、将来売却するときにリフォーム費用が高額になったり、買い手がつきにくくなったりして、資産価値の大幅な低下につながります。

空き巣の被害にあう可能性がある

長期間人の出入りがない空き家は、空き巣に狙われやすくなります。郵便受けに郵便物やチラシが溜まっていたり、ベランダに洗濯物がなかったりすると、留守だとすぐに分かってしまうためです。

さらに空き巣被害にとどまらず、不審者による不法占拠やゴミの不法投棄、犯罪の取引場所として使われるなどのリスクもあります。こうした問題が起きれば近隣住民とのトラブルに発展し、周辺環境の悪化によってマンション全体の資産価値が下がる恐れもあります。

維持費がかさむ

マンションは空き家でも維持費がかかります。主な負担は次のとおりです。

●管理費・修繕積立金:人が住んでいなくても毎月支払いが必要
●固定資産税・都市計画税:不動産を所有している限り毎年課税される

管理費と修繕積立金の平均は月額約23,000円(年間約276,000円)です。

税金は、たとえば固定資産税評価額が2,000万円のマンションの場合、次のようになります。

費用の種類 年間の目安額
固定資産税 約28万円
都市計画税 約6万円
管理費+修繕積立金 約27万6,000円
合計 約61万円以上

築年数が古い物件では、管理費や修繕積立金がさらに高額になることもあります。

相続した物件に思い入れがあったり、物置代わりにしていたりする場合でも、一度年間の支払額を計算してみると、61万円が10年続けば約610万円です。長期的に見れば大きな負担となるため、早めにどうするか決断することが大切です。

こちらの記事では、空き家の固定資産税について解説しています。
固定資産税が6倍になる時期や避ける方法も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

マンションの空き家の活用方法

空き家を放置するリスクを理解したうえで、次に検討すべきは活用方法です。ここでは、マンションの空き家を有効活用する方法を紹介します。

レンタルスペースにする

マンションの一室をレンタルスペースとして時間貸しする方法があります。近年ではテレワークや副業の増加により、会議室や作業スペースの需要が高まっており、空き部屋を収益化できる新しい活用手段として注目されています。

【メリット】
●好立地であれば集客しやすく、高い利益率が期待できる
●会議室、撮影スタジオ、パーティールームなど幅広い用途に活用できる
●比較的少ない初期投資で始められるケースが多い

ただし、成功には徹底した市場調査が欠かせません。立地条件や周辺の競合施設、ターゲット層のニーズを分析し、十分な需要があるかを見極めることが重要です。

賃貸として使う

マンションを賃貸物件として第三者に貸し出す方法も、空き家活用の有力な選択肢です。長期的に安定した家賃収入が得られるため、維持費の負担軽減や資産の有効活用につながります。

【メリット】
●ビジネスライセンスが不要で比較的簡単に始められる
●初期費用を抑えられる
●家賃収入で管理費や修繕積立金などの維持費をカバーできる

ただし、住宅ローンを契約している場合は注意が必要です。本人または家族の居住を条件としているケースがあり、賃貸に出す際は金融機関への相談が欠かせません。将来的に売却を検討するなら、契約を「定期借家契約」にしておくとスムーズです。

民泊として使う

訪日外国人の増加によるインバウンド需要の高まりから、マンションを民泊として活用する方法も注目されています。

【メリット】
●観光地や主要駅に近い好立地なら高い収益性が期待できる
●短期利用が多いため、長期契約より柔軟な運営が可能

一方で、民泊を始めるには国土交通省の「住宅宿泊事業法」や厚生労働省の「旅館業法」などの基準を満たす必要があります。届出や許可の取得、消防設備の設置、近隣住民への説明など手続きが多く、運営のハードルは高めです。

出典:国土交通省「住宅宿泊事業法(民泊)」
https://www.mlit.go.jp/kankocho/seisaku_seido/jutakushukuhakugyoho/index.html
出典:厚生労働省「旅館業法の概要」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130600.html

売却する

空き家を放置するリスクを避け、管理の手間や維持費をなくすための有効な解決策のひとつが「売却」です。放置すれば固定資産税や管理費・修繕積立金が積み重なり、さらに建物が劣化することで資産価値は年々下がっていきます。

その前に売却して現金化することで、経済的な負担や心理的なストレスから解放される人は少なくありません。

【メリット】
●空き家の管理負担と維持費をゼロにできる
●資産価値が下がる前に現金化できる
●将来のトラブルや相続負担を減らせる

とくに手入れされていない物件は資産価値が下がりやすいため、早めの売却が損失を抑えるポイントです。売却には複数の方法があり、それぞれにメリットとデメリットがあるため、物件の状況に合わせた選択が必要です。

こちらの記事では、空き家を売却について解説しています。
具体的な方法や流れも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

空き家管理業者に依頼する

すぐに売却や賃貸に出せない場合は、空き家管理業者に依頼する方法があります。専門の業者に任せることで、遠方に住んでいる方や仕事で忙しい方でも、安心して物件を維持できます。

【メリット】
●定期巡回や掃除で物件の劣化を防げる
●郵便物の確認や換気・通水などを任せられ、手間が減る
●雨漏りやひび割れなど不具合を早期発見できる
●管理状況を定期報告してくれるため安心感がある
●管理費は月額1万円前後が目安で、サービス内容や巡回頻度によって変わります。

ただし、依頼してもランニングコストはかかり続けるため、あくまで一時的な対策として利用し、最終的には売却や賃貸といった抜本的な解決策を検討することが重要です。

マンションの空き家の売却方法

空き家問題を根本から解決するには、売却がもっとも効果的な方法です。ここでは、マンションの空き家を売却する主な方法と、それぞれのメリット・デメリットを分かりやすく解説します。

不動産会社に依頼する

もっとも一般的な売却方法は、不動産会社に仲介を依頼して買主を探してもらう方法です。

【メリット】
●市場相場に近い価格で売却できる可能性がある
●ポータルサイトや広告を通じて幅広く買主を募集できる

【デメリット】
●買主が見つかるまで数か月〜1年以上かかることがある
●仲介手数料がかかる
●築年数が古い物件や事故物件は売れ残りリスクが高い
●リフォーム費用を売主が負担する場合があり、手取り額が減ることもある

仲介は相場に近い価格を狙える一方で、時間やコストがかかるため、物件の状態や売却の緊急度を考慮して選ぶことが大切です。

空き家バンクに登録する

自治体が運営する空き家バンクに登録し、移住希望者などとマッチングを図る方法もあります。

【メリット】
●登録が無料でできる
●自治体のサポートを受けられる

【デメリット】
●成約率は約2割と低く、買主が見つかる保証がない
●売主自身で交渉や契約手続きを行う必要があり、トラブルのリスクがある

とくに早期の売却を希望する場合は、空き家バンクだけに頼らず、専門の買取業者に相談するほうがスムーズに進む可能性があります。

個人間で売買取引をする

親子間や知人など、特定の相手に直接売却する方法もあります。

【メリット】
●仲介手数料がかからない
●買主が決まっているため、売却活動の手間を省ける

【デメリット】
●契約書作成や登記、税務処理などをすべて自分で行う必要がある
●手続きの不備によるトラブルのリスクが高い
●親族や知人との関係が悪化する可能性がある

個人間売買は、信頼できる相手がいる場合にのみ検討すべき方法です。

専門の買取業者に依頼する

空き家を抱えている場合は、専門の買取業者への売却がおすすめです。

●スピーディーな売却・現金化
買取業者が直接物件を購入するため買主探しが不要。査定から契約・決済まで早ければ数日〜数週間で完了し、まとまった現金を早く手にできます。

●売却費用がかからない
仲介手数料やリフォーム費用、不用品処分費用が不要。

●契約不適合責任が免除される
買取業者は物件の不具合を見抜いたうえで購入するため、売却後のトラブルが発生しません。契約不適合責任を免責とする契約が可能で、安心して取引できます。

●比較的高値での買取が可能
自社リノベーションと直接販売により中間マージンがなく、物件の潜在価値を適正に評価できます。その結果、他社より高い価格での買取が期待できます。

INTERIQは、自社でリノベーションを行うため、老朽化や不具合があっても現状のままで売却できます。査定は完全無料で、しつこい営業も一切ありません。オンライン査定にも対応しているため、遠方にお住まいの方や忙しい方でも安心してご相談いただけます。

「空き家をできるだけ早く現金化したい」「管理や税金の負担から解放されたい」などお悩みの方は、実績豊富な専門の買取業者INTERIQにぜひお任せください。

まとめ

マンションの空き家を放置すると、住宅の劣化や空き巣被害に加え、高額な維持費や近隣トラブル、さらには将来子どもへの負担といった多くのリスクが生じます。

活用方法としてはレンタルスペースや賃貸、民泊、管理業者への委託などがありますが、根本的な解決には売却がもっとも効果的です。

なかでも専門の買取業者に依頼すれば、現金化までのスピードが早く、リフォーム費用や仲介手数料が不要になり、さらに契約不適合責任が免除されるため安心して取引できます。

INTERIQは、老朽化や傾き、雨漏りのある物件や事故物件、投資用マンションの空室など、幅広い物件の買取を行っています。最短即日での買い取りが可能で、買い取りを断られた物件でもそのまま売却できます。

空き家の悩みを早めに解決し、将来への不安を取り除くために、まずは無料査定をご利用ください。

INTERIQでは、訳あり物件の買い取りに関する相談を受け付けております。お困りの際にはぜひお問い合わせください。

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